産業看護師(企業看護師)とは、どのような業務の看護師なのでしょうか。
この記事では、職種別に産業看護師(企業看護師)の仕事内容を紹介します。
さらに産業看護師(企業看護師)になる方法や、おすすめの転職サイト、必要なスキルとは何かなど、さまざまな情報を紹介していきます。
産業看護師(企業看護師)とは?(年収は?)
産業看護師(企業看護師)とは、サラリーマンのように会社員として企業で働く看護師のことを指します。
(同様に、企業で働く保健師を産業保健師といいます)
産業看護師や産業保健師は雇用される法人によって様々な職種があり、残業や夜勤の有無も職種ごとに傾向が異なります。
それぞれの職種について「給料(年収)」「残業の有無」「休暇のとりやすさ」「夜勤の有無」「人間関係の重さ」などの違いを比較しました。
給料、残業、休暇、夜勤、人間関係を比較
職種↓/条件→ | 給料(年収)目安 | 残業 | 休暇 | 夜勤 | 人間関係 |
---|---|---|---|---|---|
医務室 | 500万程度 | 少 | 〇 | 無 | 軽 |
コールセンター | 400万 | 少 | 〇 | 有 | 軽 |
治験コーディネーター(CRC) | 376万 | やや多 | 〇 | 無 | 重 |
臨床開発モニター(CRA) | 600万 | 多 | 〇 | 無 | 重 |
クリニカルスペシャリスト | 400~500万 | 多 | 〇 | 無 | 重 |
(参考:Career Garden,平均年収.jp)
上の表は、産業看護師(企業看護師)の主な職種ごとに条件や環境をまとめたものです。
産業看護師(企業看護師)といっても収入や労働環境は実にさまざまで、「残業の有無」や「休暇のとりやすさ」などは企業の社風によっても大きく左右されます。
それらを重視している方は、転職サイトのキャリアアドバイザーにしっかりと事前確認すると良いでしょう。
産業看護師(企業看護師)になるメリット・デメリットとは?
産業看護師(企業看護師)の気になるメリット・デメリットをご紹介します。
全ての職種に共通するわけではありませんが、参考にしてみてください。
産業看護師のメリット
産業看護師(企業看護師)のメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 日勤のみ
- 土日祝日休み
- 体力面の負担が少ない
- 精神的負担が少ない
一般職と同様に土日祝日が休みで日勤の職場が多く、肉体的・精神的な負担を抑えることができます。
夜勤を避けたい人、子育て中など、仕事と家庭やプライベートを両立したい人には特におすすめです。
産業看護師のデメリット
一方で、産業看護師(企業看護師)にはデメリットもあります。
- 求人数が少なく、就職倍率が高い
- 看護技術が落ちる、スキルアップが難しい
- 専門のビジネススキルが必要な職種もある
人気があるにも関わらず企業の求人が少ないため、倍率が高いのが難点です。
上の章で比較した通り、職種や労働環境で変わるので一概には言えませんが、産業看護師(企業看護師)は求められるスキルも高く、狭き門とも言えるでしょう。
どんな仕事(業務内容)がある?
産業看護師(企業看護師)の仕事内容(業務内容)がどのようなものか、いくつかの業種を例に挙げてご説明します。
産業看護師(企業看護師)のなかでも医務室、コールセンター、治験コーディネーター(CRC)、臨床開発モニター(CRA)、クリニカルスペシャリスト(クリニカルコーディネーター)に興味がある人は必見です。
医務室の仕事内容とは
職種↓/条件→ | 給料(年収)目安 | 残業 | 休暇 | 夜勤 | 人間関係 |
---|---|---|---|---|---|
医務室 | 500万程度 | 少 | 〇 | 無 | 軽 |
(参考:Career Garden,平均年収.jp)
企業の医務室で働く看護師の仕事は、以下のような内容が一般的です。
- 社員の健康管理
- 社員のメンタルヘルスケア
- 健康診断のフォロー・準備
- 体調不良の社員や来客者の対応
- 健康指導に関する資料の作成
- 面談結果の記録・カルテ作成
基本的にデスクワークが多いためPCスキルが必須条件となり、体力面の負担は少なめです。
コールセンターの仕事内容とは
職種↓/条件→ | 給料(年収)目安 | 残業 | 休暇 | 夜勤 | 人間関係 |
---|---|---|---|---|---|
コールセンター | 400万 | 少 | 〇 | 有 | 軽 |
(参考:Career Garden,平均年収.jp)
コールセンターで働く看護師の仕事内容には、以下のようなものが挙げられます。
- 保険会社の場合、健康相談や応急処置に対応する
- 医療機器メーカー、製薬会社、医薬品メーカーなどは自社製品についての質問を受ける
- 健康相談の受け付け
コールセンターで受け付ける質問事項は、企業によってさまざまです。
専門知識を身に付けており、質問や相談の内容に対して分かりやすく答える能力が求められます。
治験コーディネーター(CRC)の仕事内容とは
職種↓/条件→ | 給料(年収)目安 | 残業 | 休暇 | 夜勤 | 人間関係 |
---|---|---|---|---|---|
治験コーディネーター(CRC) | 376万 | やや多 | 〇 | 無 | 重 |
(参考:Career Garden,平均年収.jp)
治験コーディネーター(CRC)とは、治験を行う医療機関で治験業務の全般をサポートするお仕事です。別名、「フィールドナース」とも呼ばれています。
治験とは、新薬が流通される前に効果などのデータを得るための臨床試験をさします。
治験コーディネーター(CRC)の仕事は、主に以下のような内容です。
- 治験業務の流れを説明する
- 症例管理の資料を作成する
- 治験に関わる部門との連絡・調整をする
- 患者(被験者)の対応
- 担当医師の対応
- 治験に関係する部門への連絡・調整をする
- 依頼者への対応する
患者と接する機会が多いため、コミュニケーション能力、調整力、判断力といったスキルが求められます。
デスクワークも多く、基本的なPCスキル、医療、薬事法規などの専門知識が必要です。
臨床開発モニター(CRA)の仕事内容とは
職種↓/条件→ | 給料(年収)目安 | 残業 | 休暇 | 夜勤 | 人間関係 |
---|---|---|---|---|---|
臨床開発モニター(CRA) | 600万 | 多 | 〇 | 無 | 重 |
(参考:Career Garden,平均年収.jp)
臨床開発モニター(CRA)とは、医療機関で治験が法律やルールを守って実施されているかどうか、モニタリングを行うお仕事です。
前項のCRC同様に「フィールドナース」とも呼ばれており、依頼者である製薬企業と医療機関のスタッフを結ぶ、大切な役割を任されます。
- 医療機関の治験実施スタッフへ説明会を開催する
- 治験薬の医療機関への引き渡し
- 正しく治験が行われているかモニタリングをする
- ドクターが作成する症例報告書を回収する
担当の医療機関を定期的に訪問するため、遠方へ出張する機会も多いお仕事です。
クリニカルスペシャリストの仕事内容とは
職種↓/条件→ | 給料(年収)目安 | 残業 | 休暇 | 夜勤 | 人間関係 |
---|---|---|---|---|---|
クリニカルスペシャリスト | 400~500万 | 多 | 〇 | 無 | 重 |
(参考:Career Garden,平均年収.jp)
クリニカルスペシャリスト(クリニカルコーディネーター)とは、医療機器メーカーで営業サポートをするお仕事です。
クリニカルスペシャリストの主な仕事内容は、以下の通り。
- 営業担当者や医療情報担当者、医薬情報担当者をサポートする
- 営業担当に同行し、クリニックを訪問して製品を説明する
- 医療従事者向けに機器の説明会を開催する
- 学会・研究会・展示会などに参加する
医療機器メーカーは外資系企業が多く、英語力も大切なスキルとなります。
英語スキルが高ければ、クリニカルスペシャリスト(クリニカルコーディネーター)の転職に役立ちます。
産業看護師(企業看護師)になるには?
ここからは、産業看護師(企業看護師)になる方法や必要な資格、転職方法などをご紹介します。
新卒でもなれるの?
治験コーディネーター(CRC)や臨床開発モニター(CRA)の求人は新卒・第二新卒でもあるようです。
ただそもそも募集求人が少ないため倍率が高く、看護師としての経験や専門スキルが重視されるので、新卒で採用されるのは簡単ではないようです。
産業看護師(企業看護師)に必要な資格とは
それぞれの仕事に就くために必須の資格や免許があるわけではありません。
「産業保健師」ではなく「産業看護師」なら、保健師の資格も不要です(看護師の資格はもちろん必須です)。
ただ、CRCやCRAならPCスキル、クリニカルスペシャリストなら英語力など、その企業ごとに採用されるのに有利なビジネススキルはあります。
それぞれのスキルを証明する資格(TOEICなど)を持っているとプラスの評価を受けられるので、希望の職種に合わせた資格勉強をすることも大切です。
産業看護師(企業看護師)に派遣やパートで行ける?
産業看護師(企業看護師)は正社員でなければならないということはありません。
契約社員・パート・派遣・アルバイトなどで産業看護師(企業看護師)として雇用されることもあります。
産業看護師(企業看護師)に転職するには?

産業看護師(企業看護師)に転職するためには、転職サイトを活用するのがおすすめです。
転職サイトであればキャリアアドバイザーが転職をアシストしてくれるほか、一般公開されていない非公開求人情報も共有してもらえるというメリットがあります。
キャリアアドバイザーは転職にまつわるさまざまな相談に乗ってくれますし、入職前にその職場がどんな環境なのか事前に調べるサービスも行っています。
産業看護師が未経験で不安という人にとっては特に、頼もしい存在となってくれるはずですよ。
また、産業看護師(企業看護師)の求人は基本的に募集が少なく人気なため、非公開求人となっていることも少なくありません。
非公開求人情報を目当てに転職サイトを利用するのも一つの手です。
産業看護師(企業看護師)への転職は狭き門でもあるので、転職サイトが提供するサービスを活用して有利に転職をすすめていきましょう。
おすすめの転職サイト比較3選

ここでは、産業看護師(企業看護師)への転職におすすめの転職サイトベスト3をご紹介します。
サイトによって特色の異なるサービスを提供していますので、求職中の看護師の方はぜひチェックしてみてください。
転職サイト | 求人数 | 探しやすさ | 転職サポート |
---|---|---|---|
マイナビ看護師 | 〇 | 〇 | ◎ |
医療ワーカー | ◎ | 〇 | 〇 |
ナースフル | △ | △ | 〇 |
マイナビ看護師
アルバイトの求人サービスとして有名な、マイナビの看護師転職サイトです。
求人検索の「施設形態」の中に「看護師資格・経験を活かせる一般企業」「治験関連企業(CRA,CRCなど)」というカテゴリーがあり、簡単に産業看護師(企業看護師)の募集案件をみつけることができます。
求人件数も上記を合わせて543件(記事執筆現在/2020年5月)と豊富です。
またマイナビグループは一般企業への転職のノウハウが豊富なので、充実したサポートが期待できます。
産業看護師(企業看護師)への転職を考えている方には、外せない転職サイトでしょう。
医療ワーカー(医療WORKER)

医療ワーカーは、産業看護師(企業看護師)の求人が最も充実した転職サイトです。
公開求人の件数だけでなく、非公開求人の件数も公開されているのも嬉しいポイント。
マイナビ看護師と同様、産業看護師(企業看護師)への転職には欠かせない転職サイトと言えそうです。
ナースフル

ナースフルは、求人サービス大手のリクルートグループが運営する看護師向け転職サイトです。
そのためマイナビ看護師と同様、充実したサポートが期待できます。
コラムがとても充実しているので、「産業看護師(企業看護師)に関する情報収集や勉強がしたい!」という方には特におすすめです。
看護師向けの転職サイトをもっと比較したい方には、下の記事がおすすめです!
目次
CAREE編集部
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